令和6年度診療報酬改定における「入院基本料等の見直し」について

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令和6年度診療報酬改定における「入院基本料等の見直し」について

コラム | 2024.09.06

今回は令和6年度の診療報酬改定の個別項目において、病院経営の根幹である「入院基本料等の見直し」について記載します。「入院基本料」は病院のM&A(事業継承)を検討される場合の事業計画策定においても最重要な項目になります。

 

入院基本料等の見直しについての基本的な考え方

「ベースアップ評価料」の新設において医師、事務職員以外の医療従事者の賃上げが盛り込まれましたが、この「入院基本料の見直し」では、40歳未満の勤務医師、事務職員等の賃上げに資する措置になります。あわせて、患者の退院後の生活を見据えた栄養管理体制の充実を図る観点から、栄養管理体制の基準を明確化する。また、人生の最終段階における適切な意思決定支援を推進する観点から、支援に係る指針の作成を要件とし、更に医療機関における身体的拘束を最小化する取組を強化するため、医療機関において組織的に身体的拘束を最小化する体制の整備を求める、というものです。

 

(入院基本料等の具体的な内容)

一般病棟入院基本料        

                改定後点数    現行点数

1.急性期一般入院基本料

(1)急性期一般入院料1     1,688点     1,650点

(2)急性期一般入院料2     1,644点     1,619点

(3)急性期一般入院料3     1,569点     1,545点

(4)急性期一般入院料4     1,462点     1,440点

(5)急性期一般入院料5     1,451点     1,429点

(6)急性期一般入院料6     1,404点     1,382点

 

2.地域一般入院基本料

(1)地域一般入院料1      1,176点     1,159点

(2)地域一般入院料2      1,170点     1,153点

(3)地域一般入院料3      1,003点       988点

 

一般病棟の入院基本料は上記のような変更になりました。

療養病棟入院基本料の見直しについては、医療区分とADL区分に基づく現行の9分類が疾患・状態に係る3つの医療区分、処置等に係る3つの医療区分及び3つのADL区分に基づく27分類に加えてスモンに係る3分類で30分類の評価に見直されました。

具体的な点数表は割愛しますが、基本的な考え方は一般病棟入院基本料の見直しと同じく、40歳未満の勤務医師、事務職員等の賃上げに資する措置であることと、疾患・状態と処置等の医療区分と医療資源投入量の関係性を踏まえて、医療区分に係る評価体系を見直す、ということです。

他には、中心静脈栄養の評価の見直し、リハビリテーションの要件見直し、医療療養病床の人員配置標準に係る経過措置の廃止、及び適切な経腸栄養の管理実施についての新たな評価などが盛り込まれています。

特に療養病棟入院基本料は区分が大幅に増えて複雑になりましたので、病院のM&A(事業継承)される場合の事業計画策定においては、細かな管理とシミュレーションが必要になります。

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