病院・クリニックのM&A(事業継承)における今後の市況

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病院・クリニックのM&A(事業継承)における今後の市況

コラム | 2024.05.28

今回は「病院・クリニックのM&A(事業継承)における今後の市況」について、現在、厚生労働省が発表している最新の統計資料である令和4年度「医療施設調査の結果」及び「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」から推察してみたいと思います。今回クリニックは歯科を除いた医科のクリニックに限定して推察します。

まず、下記「医療施設調査の結果」7ページより、令和4年10月1日現在で、病院の総数は8,156件あり、そのうち民間病院と言われる医療法人、個人開設の病院は5,784件になります。また診療所の総数は105,182件で、そのうち医療法人、個人開設の診療所は86,031件になります。

続いて「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」4ページを見ると、令和4年12月31日現在で、全国の医師数は343,275人、そのうち、医療施設に従事している医師は327,444人になります。更に内訳をみていくと病院に従事している医師は220,096人で、そのうち開設者及び法人の代表者は5,251人(民間病院の総数より少ないのは、1人の開設者及び法人の代表者が複数の病院を開設していると推察します)になります。一方診療所に従事している医師は107,348人で、そのうち開設者及び法人の代表者は70,360人(民間診療所の総数より少ないのは、病院の場合と同じく1人の開設者及び法人の代表者が複数の診療所を開設していると推察します)になります。

続いて「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」6ページ「年齢別の医師数」を見ると、医育機関附属の病院を除く病院に従事する70歳以上の医師は11,581人(医育機関附属の病院を除く病院に従事する医師の総数は160,426人)で、診療所に従事する70歳以上の医師は24,699人になります。

上記のデータを元に今後10年程で高齢を理由に事業継承を検討される可能性のある病院・クリニックの数を推察してみます。まず、70歳以上の開設者及び法人の代表者が開設する病院の数を推察すると、5,784件×11,581人÷160,426人件≒418件となります。また70歳以上の開設者及び代表者が開設する診療所の数を推察すると、86,031件×24,699人÷107,348人≒19,794件になります。

今後10年間で高齢を理由に事業継承を検討される病院418件、診療所は19,794件という数字になりましたが、もちろん後継ぎのおられる病院・クリニックも多数ありますし、高齢ではなく経営難等諸事情でM&A(事業継承)や廃院を考えられる病院・クリニックもありますので一概には判断できませんが、統計数字から推察するのも重要な判断材料になります。

※推察の計算で開設者及び代表者の数を使わず件数を使ったのは1人の開設者及び代表者が複数の病院・クリニックを開設していると考え、市況を推察する上で件数で算出した方がより正確だと判断したからです。

 

令和4年度「医療施設調査の結果」

02sisetu04.pdf (mhlw.go.jp)

令和4年度「医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」

02sisetu04.pdf (mhlw.go.jp)

 

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